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「 室〜庭 」 でワンセット、言わば 「 庭間 」

JUGEMテーマ:家づくり / 設計ノート

 

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日本の家屋は元来柱で構成される構造ですから、開口は 掃き出し窓 が基本でした。
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近年は西洋的な暮らしも普通になり、
プライバシー尊重の考え方や家具の置きやすさ等もあって、腰窓だけの部屋も増えてきましたが、
それでも日本の住まいから掃き出し窓が無くなることは絶対にないでしょうね。

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掃き出し窓の利点としては、風通し、延いては 室の換気 に有効なことで、
これは湿度の多い日本の夏を過すには最適な開口の形であると言えます。

 「 内〜外 」 の繋がりは日本家屋ならでは

それ以上に見逃すことのできない大きな特徴として、室が   外と繋がる ことも挙げられます。
日本家屋ほど 「 内〜外 」 に人が係る 「 間 」 を創り出し昇華させた建築はないかもしれません。
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その繋がりによって、風・匂い等の空気の流れ光・音の流れ、もちろん 視線の流れ も、
そして生活に最も影響の大きな 人の出入りという根源的な流れをも生み出します。

  - 靴を脱ぐ日本の家屋の方が、靴を履いたままの海外の家屋よりも
  - 「 内〜外 」 の繋がりを重要視する住まいを生みだしたのです。面白いですよね。

  座敷〜庭 「 室〜庭 」

実はその 靴を脱ぐ生活様式が、日本家屋のこの独特な特質を生んだ とも言えるのです。
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私達は家の中で床に尻を落とします。床の上に寝転がります。
床に尻を落とし寝転がって、茶をすすり、メシを喰らい、ボケェ〜とするわけですね。

  - 何の不思議もありません、私達には当り前のことです。

立ち姿勢と異なる、このくつろいで弛緩した姿勢の感覚 「 座の五感 」 で周りを見回してみます。
この正に農耕民族の五感無くして、 「 内〜外 」 の繋がりを創り出すことは不可能だったと思えます。

 「 内〜外 」 の繋がり、 「 室 」 と 「 庭 」

そんな床に根を張ったとも言える私達の座の五感、と言うより、私達の先達の座の五感は、
私達の魂に感応するものとして  「 室 」 の先に 「 庭 」 を求めた ように思います。

  - 他者である 「 外 」 ではなくて、身内的な外とも言える 「 庭 」 を創造したわけですね。
  - ・・・
  - 明らかに、脈々と息付く 禅宗の宗教観 からかなり影響を受けているのがわかります。
  - 宜しければどうぞ  ○ ぶらっと 「 庭 」  ・・・ ツラツラ

そこには、あからさまな 「 内vs外 」 という観念ではなく、
穏やかに 呼応しあう 「 一対  の心情が反映されているように感じられます。

  建具オープン 座の五感

小さかろうが大きかろうが、狭かろうが広かろうが、閉じていようが開いていようが 「 室 」 に 「 庭 」 を対置することで、
日本にしかない 室〜庭 という新たなワンセットの空間 が産み出されたわけです。

  - 例えば 「 庭間 」 とかいう名でも付いていれば、もっと普遍的な概念だったでしょうねぇ。

ところで冒頭にも記したように、柱で構成された材料・構造的特質が
この 「 庭間 」 に ( 名称があると一言。とても便利 ) 大きく関与していることは疑いようのない事実です。

  - 日本が温暖な気候季節だから、なんて事も影響しているでしょうが、言い出せば限がないですね。

 「 内〜外 」 を繋ぐための建具納まり

そして、ここで問題になるのが、開口部に設ける建具の処理です。
「 座の五感 」 に呼応できる建具の納め方 を求めていかなければなりません。
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ここでは、建具全てを壁内に引き込んで開口部が全て開放される ようにしています。

  - 建具は、 雨戸・網戸・ガラス戸・障子。
  - こちらのページにて説明しています。 ○ 言ってみれば、ワンルーム仕様

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● 追記

ところで今後、高齢者向けの建物、施設は益々増えていくものと思われます。
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特に最近耳にすることが多くなった 高齢者専用賃貸住宅 高専賃 ) などは、
腰窓だけが設けられたホテルタイプの部屋造りは、精神的に非常なウィークポイントになると考えます。

  - これは住宅そのものですし、それもまだまだ元気で健康な方が住まわれます。
  - 腰窓だけの部屋は、日本人として生きてきた人間にはとても息苦しく感じます。


おそらく最期の時までこれから365日24時間ずっと住み続けるマイホームになるわけですから、
小さく狭くても 座の五感を保てる住宅 を創るべきではないかと、二三の物件を見学して痛感する次第です。

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