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「 木 」 の質感を活かして、天井を演出する

JUGEMテーマ:家づくり / 設計ノート

 

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床や壁の仕上げについては細かな要望も多いのですが、こと天井に関してはその限りではありません。

手足に触れる場所でもありませんし、もともと仕上げ材の種類も少ないからでしょうか。

 

でも、だからこそ設計する者の立場から、なるべく 自然な風合いを感じられる素材 で空間を作りたいのです。

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一般的に天井に多く用いられる材料は、石膏系の化粧ボードかボード下地にクロス張りといったところですが、

ここは!という空間には、その質感を求めて積極的に 「 」 を使うよう心掛けています。

 

 

天井:木仕上01

 

 

一口に 「 」 と言っても多種多様です。多くの種類があり、また仕上げ方も様々です。

皆さんも無垢材は勿論のこと、小片材を接着した集成材や薄く裂いた突板等を貼った合板などが思い浮かぶことでしょう。

 

 

 杉板を本実矧ぎ継ぎで張る
 

無垢材で最も使いやすい木材の一つに 「 」 があります。

柔らかな質感が持ち味で天井からの圧迫感も気になりません。また何よりそれほど高価でもありません。

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ただ無垢材ですので、湿度による伸縮や経年での反りなどには気を配る必要があります。

そこでただ突きつけるだけでは心配ですから、

ここでは板の横面に凹凸状の加工をした 本実矧ぎ継ぎ という張り方で施工しています。

 

 

天井:木仕上02-杉板

「杉板」で作った (創った) 天井

 

また継ぎ方には他にも 雇実矧ぎ(やといざねはぎ)とか 合決り/相決り(あいじゃくり)などあります。

ただ板を並べるだけの張り方はいけませんが、何らかの加工をしてもらえれば結構だと思います。

 

  - 引き締まった空間を創る時は、使う材料を絞るのも有効で効果のある一手です。

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  - 例えば床材に張ったフローリングを(同材同色で)天井にも張る手が考えられます。

  - 天井が普通に水平(床と並行を強調して)で、且つ濃色ですとより効果が増します。お薦めです。

 

 

 曲面の天井を「 木 」で仕上げたい

 

上の杉板を張った天井は勾配天井でしたが、こちらの住宅は 天井が曲面 です。

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無垢材で曲面は作れるでしょうか? えぇやればできるでしょう。

とは言っても、建物は設計の段階から竣工まで、そして維持費のことも考えるとずっとお金との戦いです。

 

  - 今回、床はナラの無垢フローリング張り、框や棚、幕板等の板状造作材にはナラ/タモ集成材を、

  - 引戸や造付家具の扉には桜突板を用いています。

 

また真っ先に 「 プラスターボードにクロス張り 」 という手も浮かびますが、求める解ではありません。

この家にとイメージした曲面天井。最終的にはしなやか且つ木目も優しい 「 シナ合板 」 で仕上げることとしました。

 

 - 天井の曲面を美しく仕上げたい。そのための材料選びにはずいぶんと悩みました。
 - 木の持つ滑らかな質感が味わいのシナ合板に決定。そして納めは 目透し張り です。

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 - 板形状の造作材については、ナラかタモの集成材を使用しています。

 - これらも金銭的な兼合いで無垢材か集成材かで悩みますが集成材もなかなか味のある仕上げになります。

 

ところで、合板の使用率が高いことを気にされる方も多いかもしれません。

しかし 合板と言えども「  」 の質感は必要十分。演出次第で満足のいく空間を創れます。

 

無垢材には無垢材ならではの深切な美しさが、合板には合板ならではの端正な美しさがありますから。

 

 

天井:木仕上03-シナ合板

「シナ合板」で作った (創った) 天井


 

合板ですから空気環境への配慮も必要です。

 

 - 材料はホルムアルデヒド等の化学物質に対応した 「 F☆☆☆☆ 」 を使用。

 - 且つ、24時間換気設備の設置にも細心の注意を払いますので御心配には及びません。

 

 

 天井と壁の取合いは、壁勝ち?天井勝ち?

 

さて上の2例の天井は、材料は 「 杉板とシナ合板 」、納め方は 「 本実矧ぎと目透し 」 と異なりました。

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納め方が異なれば天井の表情も違ってきます。そして壁との取合いも問題になってくるのです。

壁か天井か、どちらを勝たせるかの取合いの算段をつけねばなりません。

 

 - 本実矧ぎで継いだ天井は、板材と判る程度には細い目地が入りますが一つの大きな面、

 - 目透し張りのシナ合板天井は、天井面の透かし目地による合板一枚一枚が独特の表情を創ります。

 

一枚の面を意識した 杉板天井は天井勝ち としました。横への伸びやかさを強調させたいと考えたからです。

目透しで分断される シナ合板の天井は壁勝ち で。壁取合い部もそのまま天井面に、が素直でしょう。

 

 - 「壁勝ち・天井勝ち」については以前書いたこちらの記事も参考にどうぞ。

 -  ● 壁と天井の取り合いは、壁勝ち?天井勝ち?

 

もちろん逆の勝ち負けもあっていいのですが、長所をつぶすよりは伸ばすやり方で双方正解でした。


 

天井:木仕上04

仕上げや納め方で取合いも考える

 

 

 

内壁に 「 シラス壁 」 を塗る

JUGEMテーマ:家づくり / 設計ノート

 

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家を建てる時、建物の仕上げ ( 材料 ) は設計の段階で打合せ・検討 をし決定されます。

  - できれば建物の姿形が見えてきた施工段階で仕上げを決めたいと思われるでしょうが、
  - それは先の建築基準法の改正で非常に困難な仕組みになりましたので注意が必要です。
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  - 申請時の記載事項と異なる仕上げをする場合、再申請を求められる可能性もあります。

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さて、家に住み始めると仕上材料は弥が上にも日々眼に入りますし肌に触れることになります。

 普通は視覚と触覚での好き嫌いに比重が

そして、その 視覚的要素と触覚的要素に人の好み は如実に現れるのです。
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例えば、自然材料か工業素材か ( 言い換えれば、ローテク材かハイテク材か ) の好みの違い。
或いは、アースカラーか白 ( 黒 ) かのような色彩による好みの違い。

  - それがまた面白いのですが。正解はコレというものではありませんからね。

  中霧島壁 シラス壁

何れにせよ、視覚・触覚の要素が選定基準の大きな要素であることは疑いようがありません。
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しかし、匂いや音も仕上によって当然変わることも確かなことですし、
近年は建材に含まれる 化学物質による健康被害への対処が何よりも優先 されねばなりません。

 空気環境への考慮が最優先

匂い以上に 空気環境への配慮 が大きな判断要素としてクローズアップされています。
一度発症したアレルギーは一生付き合っていかなければいけませんから重大です。

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そこで、内装壁材として火山灰シラスを素材にした 「 シラス壁 」 を使ってみます。
○ 株式会社高千穂  「 シラス壁 」

  中霧島壁 壁の表情

ここで使用した製品は 「 中霧島壁 」 です。
塗り厚が 5mm ありますから、見た感じ、触った感触等昔の左官壁の質感を得られていると感じます。

 5mm 厚の塗り壁の長所・短所

4年経ちますが、長所に関してはメーカーのホームページ記載の特質を信じていいように思います。
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但し、シラスという自然素材が原料ですので、
粒子が均一でないところがあったり、それ故の色むらに見える部分も当然ながらあります。
それもこういった塗り壁での表情の一部だと楽しめなければ、人によってはデメリットに映るかもしれません。

また下地への追従性はほとんど懸念することはないと感じますが、
大きな揺れの地震を受けて、下地の弱かった部分で本当に細かですが表に響くクラックが発生しました。

  - これは材料的、施工的特質からみて致し方ないです。
  - 使用場所の構造及び下地を充分にガシッと固めれば心配はいらないと考えています。
  - それにそれほど酷いクラックでもありませんし、これも塗り壁の味です。
  - 街中のRC打放しで散見するクラックのような酷さでもありません。

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  - 尚、経年による乾燥収縮クラックの心配は全くないように思われます。

  中霧島壁 ちょっとしたムラはある

元々のの製品自体にも数種類の色と仕上げパターンが用意されていますし、
部屋に差し込む陽の角度や時刻等によって色や表情が刻々と変わります。

その様はやはり塗り壁という表情、自然素材を好きな人には堪らない壁材 の一つだと言えます。
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私は好きです。

  中霧島壁 陽を受けると暖かい風情
 


追記

ものをぶつけると欠けてしまう危険性はあります。

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例えば掃除機を引きまわしてぶつけるとか、椅子を引いた時に当たてしまうとかです。

また犬や猫等のペットを家の中で飼われている方は、引っ搔きに対しては弱いので要注意です。

 

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