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敷地隅切部に設けた階段(13Fマンション)のデザイン始末

JUGEMテーマ:家づくり / 設計ノート

 

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北側に幅員37mの道路、13F建ての賃貸マンション の計画。

 

既にボリューム出し及び簡単な各階プランが作られており、

しかしながら「どうにも様にならん。何とかしろ」ということで、私の手元にそのプランが。

 

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冒頭に記したように北側に大通り、西側にも道路が走る角地です。

基本的に廊下やEV,階段等の動線部分はこの大通りに面して設けることを含め、

貰ったプランの大まかな配置計画は順当でほぼ順守します。

これは、エントランス動線は元より設置義務の駐車場、駐輪場や電気・水関係設備等の最適配置を検討した結果です。

 


■ 通りから最も目につく隅切部の階段をデザインし直す

敷地の北西角は隅切ですが、再検討後もここには階段を設けることに。

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敷地に余裕もない上に角の一つを失うこの隅切、実にやっかいな存在ではありますが、

大通りからは 建物の顔 となる大切なポイントです。

階段自体がもっと主体性のある姿となるよう上手く処理せねばなりません。

階段をリ・デザイン
階段をデザインし直して建物の顔を創る


まずは隅切部の見得(姿)を整えます。

旧プランでは階段が形作る斜めの壁が上下に並ぶのでしょうが、私の好みではありません。

また上下階で階高が異なりますから、その斜めの手摺壁が揃わないことも嫌いな一因です。

 

隅切部は水平面で作れる踊場で なければとプランを作り変えます。

 

そもそも階段を形作る要素には斜めの面が数多く、

綺麗な見得(姿)を得る手は、全てを覆い隠すか、部分部分をどう分節するか のどちらかです。

今回は、立面上の斜め面は元より平面上の斜めの要素をどう分節して見得を創るかで悩むことになりました。

 

結果としては、階段耐力壁の延長線上の踊場に円柱を立て踊場の手摺を2分割、

階段部分の斜め手摺壁は踊場や廊下の手摺壁から面落ちの構成とすることで、

各面が分節された階段になるようデザインし直しました。

平面的にも立面的にも、斜めの要素を分離したと考えるとわかりやすいかもしれません。

 

 

■ 階段を2分割する巨大な壁を創る

 

最終的に実施設計で、円柱ではなく 階段耐力壁をそのまま延長した巨大な一枚壁 に見えるよう修正しています。

通常、耐力壁の壁厚は250〜300mmありますから意匠的にも願ったり叶ったりです。

 

実施設計:階段詳細図

階段耐力壁を利用して巨大な壁を

 

階段の半分はこの巨大壁の裏に隠す形になりますから、その存在は殆どわかりません。

平面・断面的にも、踊場途中にある半端な角度をスマートに分節処理できます。

 

階段各部の寸法や防災観点から求められる開放性も、苦労しましたがもちろん検討せねばなりません。

 

また懸念の 隅切部手摺 は 巨大な一枚壁に自立して寄り添う見得(姿)となり、

大通りに向けた建物の顔として主体性のある存在になれたのではないでしょうか。

 

GranS.Ikeshita01

 

大通りからは踊場の手摺壁が見得の顔

 

 

ところで廊下と踊場は最近増えて来たガラス手摺ですが、一般的なそれとはちょっと違うのです。

写真を見ておわかりになるでしょうか?

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そうです、スラブ(廊下・踊場の床)の小口を覆い隠す ガラス手摺で納めています。

通常はほぼスラブの上に乗るタイプですので珍しいかもしれません。

 

GranS.Ikeshita02

 

細々と面を増やさない。見得はシンプルが肝だから

 

「 室〜庭 」 でワンセット、言わば 「 庭間 」

JUGEMテーマ:家づくり / 設計ノート

 

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日本の家屋は元来柱で構成される構造ですから、開口は 掃き出し窓 が基本でした。
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近年は西洋的な暮らしも普通になり、
プライバシー尊重の考え方や家具の置きやすさ等もあって、腰窓だけの部屋も増えてきましたが、
それでも日本の住まいから掃き出し窓が無くなることは絶対にないでしょうね。

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掃き出し窓の利点としては、風通し、延いては 室の換気 に有効なことで、
これは湿度の多い日本の夏を過すには最適な開口の形であると言えます。

 「 内〜外 」 の繋がりは日本家屋ならでは

それ以上に見逃すことのできない大きな特徴として、室が   外と繋がる ことも挙げられます。
日本家屋ほど 「 内〜外 」 に人が係る 「 間 」 を創り出し昇華させた建築はないかもしれません。
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その繋がりによって、風・匂い等の空気の流れ光・音の流れ、もちろん 視線の流れ も、
そして生活に最も影響の大きな 人の出入りという根源的な流れをも生み出します。

  - 靴を脱ぐ日本の家屋の方が、靴を履いたままの海外の家屋よりも
  - 「 内〜外 」 の繋がりを重要視する住まいを生みだしたのです。面白いですよね。

  座敷〜庭 「 室〜庭 」

実はその 靴を脱ぐ生活様式が、日本家屋のこの独特な特質を生んだ とも言えるのです。
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私達は家の中で床に尻を落とします。床の上に寝転がります。
床に尻を落とし寝転がって、茶をすすり、メシを喰らい、ボケェ〜とするわけですね。

  - 何の不思議もありません、私達には当り前のことです。

立ち姿勢と異なる、このくつろいで弛緩した姿勢の感覚 「 座の五感 」 で周りを見回してみます。
この正に農耕民族の五感無くして、 「 内〜外 」 の繋がりを創り出すことは不可能だったと思えます。

 「 内〜外 」 の繋がり、 「 室 」 と 「 庭 」

そんな床に根を張ったとも言える私達の座の五感、と言うより、私達の先達の座の五感は、
私達の魂に感応するものとして  「 室 」 の先に 「 庭 」 を求めた ように思います。

  - 他者である 「 外 」 ではなくて、身内的な外とも言える 「 庭 」 を創造したわけですね。
  - ・・・
  - 明らかに、脈々と息付く 禅宗の宗教観 からかなり影響を受けているのがわかります。
  - 宜しければどうぞ  ○ ぶらっと 「 庭 」  ・・・ ツラツラ

そこには、あからさまな 「 内vs外 」 という観念ではなく、
穏やかに 呼応しあう 「 一対  の心情が反映されているように感じられます。

  建具オープン 座の五感

小さかろうが大きかろうが、狭かろうが広かろうが、閉じていようが開いていようが 「 室 」 に 「 庭 」 を対置することで、
日本にしかない 室〜庭 という新たなワンセットの空間 が産み出されたわけです。

  - 例えば 「 庭間 」 とかいう名でも付いていれば、もっと普遍的な概念だったでしょうねぇ。

ところで冒頭にも記したように、柱で構成された材料・構造的特質が
この 「 庭間 」 に ( 名称があると一言。とても便利 ) 大きく関与していることは疑いようのない事実です。

  - 日本が温暖な気候季節だから、なんて事も影響しているでしょうが、言い出せば限がないですね。

 「 内〜外 」 を繋ぐための建具納まり

そして、ここで問題になるのが、開口部に設ける建具の処理です。
「 座の五感 」 に呼応できる建具の納め方 を求めていかなければなりません。
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ここでは、建具全てを壁内に引き込んで開口部が全て開放される ようにしています。

  - 建具は、 雨戸・網戸・ガラス戸・障子。
  - こちらのページにて説明しています。 ○ 言ってみれば、ワンルーム仕様

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● 追記

ところで今後、高齢者向けの建物、施設は益々増えていくものと思われます。
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特に最近耳にすることが多くなった 高齢者専用賃貸住宅 高専賃 ) などは、
腰窓だけが設けられたホテルタイプの部屋造りは、精神的に非常なウィークポイントになると考えます。

  - これは住宅そのものですし、それもまだまだ元気で健康な方が住まわれます。
  - 腰窓だけの部屋は、日本人として生きてきた人間にはとても息苦しく感じます。


おそらく最期の時までこれから365日24時間ずっと住み続けるマイホームになるわけですから、
小さく狭くても 座の五感を保てる住宅 を創るべきではないかと、二三の物件を見学して痛感する次第です。

ソファの置き場所・考

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ソファ というものは、これはもう殆どの場合、
キチンとこしらえた部屋の、それもその真ん中にデ〜ンと置かれる、というのが相場です。
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しかしまぁ、ソファに腰を下ろすのにそんなかしこまった使い方しかないと言うのもなんだかなぁ! ですから、
私はプランニングでの  「 部屋〜部屋の繋ぎ空間 」 に注力して悩みたいと思います。  

  ソファの置き場所 間取りの緩衝地帯に置かれたソファ

普通、部屋と部屋 ( 部屋〜廊下 ) って建具だけで区切られていることが多いはずです。
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 しかし、それらの繋ぎ空間にソファ (或いは家具なんでも) を置けるスペースがあれば、
これが結構、生活スタイルのスパイスになると考えます。

  - 言わずもがなですが、建具を開けた時に 二つの部屋が一体化する ことも狙いの一つ。

ソファ (或いは家具なんでも) は、この時もいい媒体装置となります。
ん?・・・ ええ、このようなスペースを 「 有効と見るか、無駄と見るか 」 は、それは、もう勿論っ あなた次第!!!


  ソファの置き場所





 時々に疲れた体を、ドタァ〜と投げ出せるような・・・そんな場所

間取りの核となるもの

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おもむろにワープロで 「 すむ 」 と打ってみると、
「 住む 」の他にも 「 棲む 」「 清む 」「 澄む 」「 済む 」等いろいろと変換されるのがわかります。

  - 今さら触れるまでもなく、これは  「 住む 」 ってことが、
  - 「 棲む 」ことや「 清む 」ことに、そして「 澄む 」ことに、或いは「 済む 」ことにも繋がるからです。

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「 家 」 を計画する場合、大多数の方が盲目的にリビング偏重の考えに囚われるように推察します。
もちろん、要求を満たすプランが出来ればそれでも一向に構わないのですが、
頭を柔軟にして大胆な設定のプランを一つ二つ考えてみることも決して無駄にはならないでしょう。

 「 リビング 」 だけにとらわれずに、鍵は 「 寝室 」

改めて  「 家(住宅) 」 について、長年つらつらと思索を巡らせて思うのは、
何よりもまず 「 家 」 なるもの、住み処(棲み処)であることが第一義と言う単純な事実。

しかし、さてその住み処(棲み処)とは一体何でしょうか? 私の答えは、寝床(寝処) たることです。
寝る処をしっかりと確立できれば、結果として満足のいく 「 家 」 が生まれるように思えます。

とは言っても、寝るだけの場だけでは今日の 「 家 」 とは言えないでしょうから、
最低限 トイレと浴室 は併せて設けなければ不十分かもしれません。
おっと、そして 収納 スペースも忘れてはいけませんね。不可欠の要素でした。

  - さて冒頭に記したようなリビングに重きを置いた家で気になるのが、
  - 寝室が、納戸 ( 窓はあるものの ) のような余所余所しい扱いになってしまうことなのです。
  - その顕著な例の一つは、マンションで非常にポピュラーな中廊下タイプのプランです。
  - ・・・
  - 個室を欲する通念や効率的プランニングの観点から致し方ないとは思いますが、何ともやるせないですね。

即ち、私の住み処(棲み処)への観念は、あっちにフラフラこっちへフラフラと試行錯誤の末、
この 「 寝室 + トイレ + 浴室 そして 収納 」 こそが 間取りの核 と確信するのです。

  ホテル間取りを参考

何故なら、それらは 私達の脳を、体の内を、身体の外面を 各々 リセットする諸室 なのです。

  - 心のリフレッシュも大切なんですが、身体のリセットはもっと重要。だってホラ・・・私たちは動物だもの。

 参考になるのは 「 ホテル 」 や 「 旅館 」

既に気付かれた方も多いでしょうが、ホテルの間取り は、この 「 寝室 + トイレ + 浴室 + 収納 」 です。
但し、日本人であるからには一般的なホテルよりも  旅館の間取り  が参考になるかもしれません。
特にリゾート感覚に長けた旅館の客室は知恵と工夫を凝らしたものが多く、興味は尽きないはずです。

  - ワンルーム・マンションも同類のプランニングですが、ちょっとイメージが拡がりませんね。
  - そのことは却って今後の ワンルーム・マンションの次の一手 への手掛りかもしれません。
  - しかし、これは今回の話とは別の話題ですね。

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さて、皆さんそれぞれに 間取りの核 」 の姿が見えてきたならばどうするか? です。

  - その 間取りの核 については、上に記したように、・・・
  - 実際に 「 ホテル / 旅館 」 等に宿泊などして自分にしっくりくる室を見つけるのが結局は早道なんですが、
  - そうそう数多くの室を経験するのも無理なこと。 気軽に本・雑誌等の情報も参考にします。

はい、早々にそのしっくりくる ベッドに寝っ転がる のです。

寝返りを打とうが、脚を抱えて丸まろうが、腹筋トレーニングを始めようが全く構わないのですが、
ここは一つ神経を研ぎ澄まして周りを見渡して下さい。

 実際に寝っ転がって、室の拡がりの想像を膨らます

想像を逞しくします。ええ、ここからは創造力勝負です。
寝っ転がっているベッドルームから、どこにどうリビング ( ダイニング ) が繋がっていれば心地良いか、
或いは、どこにどう庭が拡がっていれば心地良いかなどを自分の気持ちに問うて行くのです。

  - 繋がって欲しい処にたとえ壁が立ちはだかっていようとも、
  - 「 どこでもドア 」 と唱えながら想像を膨らませることができればしめたものです。

  リビング展開

難しいことなんてありません。 ・・・ 実は、この想像力にもコツがあります。
何のことはない、自分の行動を思い返せばいいのです。

  - 時間軸で自らの行動を拾い出せば、自然と空間の繋がりが見えてきます。
  - 空間は、時間によって創られて行きますから。
  - ・・・
  - 逆に、時間は空間を舞台に作られて行くとも言えるのですが。

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導かれる答えは、人それぞれに異なります。

例えば、「 ベッドのある場所よりも明るい方向にリビングと一体のキッチンを 」 と欲する人もいれば、
「 いや、明るい場所にフロやトイレが設けられている方が私の生活スタイルに合う 」 の人もいます。
正面に空間が拡がるのを好む人もいれば、横に拡がるのを好む人もいるでしょう。

  - 人によっては後面に、時には上に ( 上階ですね )、或いは下に ( 下階ですね ) 。

 私たちはみんな歳を取る

こういう言説は限がありませんね。
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でも、実はこの 「 寝室 + トイレ + 浴室 そして 収納 間取りの核 」 の確信は、
私たちが高齢になった時の ( 或いは体の自由が効かなくなった時の ) 「 家 」 の思索から生まれます。

  - 閉じてしまっている寝室で、元気な時のようにいつまでも我慢できるかどうかです。
  - 場合によっては、我慢どうこう以前の問題かもしれません。

  BedRoom

考えるのが億劫になってしまうかもしれませんが、その時は必ずやってくるのです。
そのためにも、想像を逞しくして 「 家の間取り 」 を考えて頂ければと思います。

  - これは言わずもがなではありますが、
  - 新築だけではなく、リフォームに於いても 考慮されるべきテーマだと考えます。

 その気になったら実験だ。

誰でもできる実験、金も掛かりません。

おそらく99.9%の人は 「 ここがリビングですよ 」 という室をリビングとして、
「 ここが寝室ですよ 」 という室を寝室として使っていることと思います。

  - 真面目です。言い換えればですが、「 頭が固ぇなぁ 」 とも言えます。

期間を区切ってもいいと思います、暫く リビングにベッドを 置いて過してみます。
きっと 今まで見えなかった ( 感じることができなかった ) ものが手に入る こと、間違いなしです。
保障します。 今週末にちょっと模様替えなど、如何でしょう。

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